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ひとり狼
大映/83分★★★★
1968年(昭43)4月20日公開<カラー・ワイド>
脚本 直井欽哉 監督 池広一夫
撮影 今井ひろし 音楽 渡辺岳夫
原作-村上元三
出演-市川雷蔵・長門勇・小川真由美・長谷川明男・小池朝雄・岩崎加根子・浜村純・内田朝雄・丹阿弥谷津子・遠藤辰雄
あらすじ(MovieWalker)
1961年「沓掛時次郎」1962年「中山七里」に続く、池広一夫監督の股旅三部作の最終作にして最高傑作。

最初のシーン、真っ白な雪化粧の中での雷蔵と伊達三郎との斬り合い。腕を切り取られた赤い血。それを凝視する長門勇。引き込まれずにはいられない見事なプロローグ。

世を捨てたニヒリズム極致の雷蔵の演技が素晴らしい。草鞋を脱いだ親分宅で、食べ終わった焼き魚を手拭いで包む雷蔵。長門の助けを断って反目するヤクザ側につく雷蔵。ラストにほとばしる、子への愛惜の念。

雷蔵は人気役者になってからは、常に付けまつ毛のメークだったが、市川崑監督などの文芸作品では付けまつ毛のメークをしていない。当然といえば当然なのだがケレン味がない寂しさも合った。

そして近年は「眠狂四郎」シリーズ以外は、「忍びの者」「陸軍中野学校」「ある殺し屋」などでもメーク無くしていたが、この「ひとり狼」では久しぶりに付けまつ毛のメークが復活している。

リアルさのみを追求するのではないこの姿勢が、この映画を娯楽映画の頂点に押し上げている。雷蔵の見せる数々の表情に、人は人生の無情さと孤独、虚無と愛情を感じ取って行く。

雷蔵は、勝新の演技の中では見いだせない、心の奥底に漂う黒い沼の湖面を、観客に感じさせる事ができる、稀有な役者だったと痛感する。

この映画は、長門勇の一人モノローグから始まり、同じモノローグで終わる。もしかしたら雷蔵の存在自体が、幻だったのかもしれない・・・。

もし雷蔵が死ななければ、続編が出来ていたかもしれないと思うと、切ない。




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