顔役 ダイニチ配給/98分★★★★ 1971年(昭46)8月12日公開<カラー・ワイド> |
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脚本 | 菊島隆三 勝新太郎 |
監督 | 勝新太郎 | |||
撮影 | 牧浦地志 | 音楽 | 村井邦彦 | |||
出演-勝新太郎・山崎努・前田吟・山形勲・太地喜和子・伴淳三郎・藤岡琢也・大滝秀治・若山富三郎・織本順吉・蟹江敬三 |
勝新初の監督作品。 勝プロを立ち上げ後、製作や脚本に関与してきたが、ついに初監督作品を製作。勝新は1966年公開「男と女」のクロード・ルルーシュ監督作品にかなりの影響を受けたと言われている。 確かに映画は、手持ちカメラと写実主義に徹した、それまでの勝新が出演していた娯楽映画とは一線を画す映画となっている。 1954年、23歳で映画デビューした勝新。この間17年間、40歳となった勝新は、その経歴の中で数々の監督と付き合い、現場を踏んできたはずだ。それが血となり肉となり、娯楽映画の最低限の面白さを保ちつつ、ほとんどロングカットを拒否して、ブレブレの手持ち撮影を強行した、斬新な映像世界を構築した。 役者陣も良い。それぞれの持ち味を生かし、定型的な人物像に陥らず独特のアンサンブルを成している。だだ、兄の若山富三郎のみ、やはり若山富三郎でしかなかった。 撮影を担当した牧浦地志は、撮影所育ちの大映のカメラマンでありながら、敢えて手持ちのブレブレ画面や、タイトな望遠カットを多用している。勝新はある意味、この牧浦カメラマンとの信頼関係があったからこそ、この映画が完成出来ると思ったのではないだろうか。 また村井邦彦の音楽がとても良い。圧迫感のある画面を、適度に弛緩させてくれる軽妙な音楽だ。のちのTV番組「太陽にほえろ」の大野克己は、この映画からインスプレーションを受けたのではないだろうか。よく似ている。 前年の「座頭市あばれ火祭り」での冨田勲の起用といい、勝新は三味線師範でもあるから、音楽的センスがとても良い。 村井邦彦はこの作品以降、勝新の主演映画の数々を担当となっている。勝新もこの作品の音楽を大層気に入ったようだ。 この映画、衛星放送では放送されているが未だビデオやDVDで販売されていない。勝プロ製作だから権利関係はクリアーだと思われるがどうしてだろうか? |
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