鬼の棲む館 大映/76分★★★ 1969年(昭44)5月31日公開<カラー・ワイド> |
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脚本 | 新藤兼人 | 監督 | 三隅研次 | |||
撮影 | 宮川一夫 | 音楽 | 伊福部昭 | |||
原作-谷崎潤一郎 出演-勝新太郎・高峰秀子・新珠三千代・佐藤慶・五味龍太郎・伊達三郎 |
谷崎潤一郎の戯曲「無明と愛染」の映画化。 主な登場人物は四人、舞台は山奥の荒廃した寺のみで、撮影はベテラン宮川一夫。海外の賞狙いだろうか、意欲作ではある。 愛人と逃避した夫を訪ねてくる妻。勝新、高峰、新珠のそれぞれの演技合戦が楽しめる。 中盤に僧侶役の佐藤慶が登場。ここからクライマックスへとなだれ込んでいく。 出家して悟りを開いたさ佐藤を誘惑する、新珠三千代の悪女ぶりが素晴らしい。高峰も勝新もタジタジ。 しかし肝心のラスト、勝新が佐藤の掲げる菩薩像の光にたじろぎ、新珠を斬り殺す動機が描写不足で、あれよあれよと大ラスになってしまう所が惜しい。 勝新は「新珠が勝つ」、高峰は「佐藤が勝つ」と反目続け、結局は新珠が勝つわけだが、その新珠を勝新は殺してしまう。その心の変化が丁寧に描かれず唐突感甚だしい。 そして勝新は出家して佐藤の仕事を引き継いでいくラストとなる。その後ろをついていく高峰がほくそ笑む表情でも欲しかった。 |
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