浪人街★★ 松竹配給/117分 1990年(平成2年)8月18日公開 |
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脚本 | 笠原和夫 | 監督 | 黒木和雄 | |||
撮影 | 高岩仁 (宮川一夫) | 音楽 | 松村禎三 | |||
出演-原田芳雄・勝新太郎・樋口可南子・石橋蓮司・田中邦衛・杉田かおる・伊佐山ひろ子・水島道太郎・中尾彬・長門裕之 |
1928年・昭和3年に公開されたマキノ正博監督「浪人街」の再映画化。 「日本映画の父 牧野省三 追悼六十周年記念作品」としてマキノ正博総監修の元で制作され、勝新太郎の劇場映画の遺作となった。 笠原和夫の脚本は原作山上伊太郎の良さを生かしきれず、駄作となった。 撮影協力の宮川一夫や京都映画人が多数協力しているが、この脚本で撮影を開始したプロデューサーと監督である黒木和雄の責任だろう。 勝新は得意の天衣無縫、豪放磊落なキャラ、赤牛として登場するが、悪役旗本側に寝返った以降が描ききれていない。仕える主君に忠誠を誓って最後は自死する訳だが、そんなキャラは誰も勝新に求めてないだろうし、無理がある。 山上伊太郎の原作では、原田芳雄や樋口可南子を手助けするために、石橋蓮司や田中邦衛が次々と駆けつける中、赤牛は「困った、困った」と地団駄を踏む。そして最後には悪人旗本側に剣を抜く。 「赤牛、裏切ったな!」 「違う、表返ったのだ!」 そして、赤牛も交えての大立ち回りとなる。 何故に監督は「浪人街」を再映画化したかったのだろうか。アナーキーな浪人衆が、最後は一致団結して悪に立ち向かう、単純明快な剣戟映画を作るべきだったと思う。 ラストに駆けつける、白装束姿の石橋。そして甲冑を身にまとった田中。 お前ら、着替える時間があったら、さっさと助けに来いよ。さらに牛裂きの刑なのに、樋口の股はまったく拡がらない。 笠原の脚本が酷すぎる。 勝新の最後の立ち回りを見たかった・・・。 --------------------------------------------------------------------------------- 1954年23歳で映画デビューした勝新。以来36年間。多くの映画とテレビドラマに出演した勝新は、この8年後に世を去った。 一人の人間の人生として、晩年は不幸に見舞われた。ほとんどが身から出た錆、ではあったろうが。 1962年・昭和37年・31歳の時に「悪名」がシリーズ化して「座頭市」が始まった。 その3年後「兵隊やくざ」がシリーズ化したあたりが、人生の一番の絶頂期だったろう。 栄華盛衰。人の世も、人生もまた、覆水盆に返らず・・・・。 |
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