若き日の信長 大映/97分/★★★★ 1959年(昭34)3月17日公開<モノクロ・ワイド> |
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脚本 | 八尋不二 | 監督 | 森一生 | |||
撮影 | 相坂操一 | 音楽 | 斎藤一郎 | |||
原作-大佛次郎 出演-市川雷蔵・金田一敦子・小沢栄太郎青山京子・高松英郎・清水元・北原義郎・市川染五郎 |
前作「蛇姫様」から約一ヶ月後に封切られた雷蔵主演作。 前作はカラーワイドだったが今回はモノクロにしたのはそれなりに狙いがあった事だろう。 この映画、音楽をちょっと異様な使い方をしている。また回想の入り方も少し特殊だ。原作は歌舞伎劇のようだが、その影響だろうか。 若き日の信長の自由奔放な痛快時代劇だと思ったら、いい意味で期待は裏切られる。じい役の小沢栄太郎と、若き信長を演ずる雷蔵との世代交代、ジェネレーション・ギャップがテーマのよう。 じいが自害し、駆け付ける信長の長いワンカット。クレーンのカメラが信長の心情に寄り添うように動く。雷蔵は、そのシーンの長台詞を、激情込めて、かつ滑らかに喋り続ける。 「じいっ! 信長を置いて別の世界へ行ってしまった。卑怯だぞ、じいっ!」 「じいの腕では、もはや俺を抱ききれなくなったのだ」 「・・・じいの言う通り行儀はよくしよう。だが、根性は俺のものだ、じいにも指図させんぞっ。」 主君忠誠の古い武士道からの脱却を求めた若き日の信長の心象を、雷蔵は見事に演じている。 60年安保の前年制作であるこの作品、すでに安保闘争の胎動が始まっていた時期、作る側にもその「匂い」らしきモノが醸成されていたのかもしれない。 ちなみに17歳の市川染五郎が出演している。失礼ながら馬面ばかりが目立っていた。 --------------------------------------------------------------------------------------- 1959年の出来事 01/10 NHK教育テレビ、2.1 日本教育テレビ、3.1フジテレビ開局。 ●世相 カミナリ族横行/緑のおばさん登場/岩戸景気/CMガール登場/男女合同ハイキング"合ハイ"が東京を中心に大学生間で数年前から流行。この年激増。合コンへ発展 流行歌夜霧の空の終着港/和田弘とマヒナスターズ 書籍ベストセラーにあんちゃん 十歳の少女の日記(安本末子) ■TV■ペリー・メイスン (フジテレビ) 邦画①キクとイサム(大東映画) 洋画①十二人の怒れる男(米) |
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